空気が乾燥する時期、特に注意しなければならないのが「乾燥肌」です。「少しカサカサしているくらいだから…」と問題を放置してしまいがちですが、強いかゆみを感じ、我慢できずにかきむしってしまうようなケースも少なくありません。

乾燥肌で悩まされるのはなぜなのか、またどのような対策を取るのが効果的なのかについて、くわしく解説します。

病気や生活習慣との関連性やケアのポイントなど、役立つ情報をぜひ参考にしてみてください。

乾燥肌の原因と対策

「肌がかゆいな…」と思ったとき、乾燥が原因であるケースは多いものです。辛い症状を抑えるためにも、まずは乾燥肌について基礎知識を学んでいきましょう。

主な原因・対策・セルフケアのポイントをお伝えします。

乾燥肌の主な原因とは？

乾燥肌の主な原因は、角質層のバリア機能の低下です。バリア機能を低下させる要因としては、以下のようなものが挙げられます。

・空気の乾燥

・過度な洗浄

・紫外線

・水分不足

・栄養不足

・ストレス

・睡眠不足

・加齢

乾燥肌は、外的要因と内的要因が複雑に絡み合って引き起こされます。ただ単純に空気の乾燥だけが問題の場合、湿気が多い季節になれば症状は改善していくでしょう。

一方、日々のスキンケアや生活に問題がある場合、正しい習慣を身につけない限り、乾燥肌は改善しません。

また、体内の水分や栄養が足りていないと、健康な肌は作り出せません。ストレスや睡眠不足で自律神経が乱れれば、肌の代謝サイクルにも問題が生じてしまうでしょう。

乾燥肌の対策方法とは？

乾燥肌の原因を踏まえて、外的要因と内的要因、それぞれに対して効果的な対策をとる必要があります。具体的には、以下のような行動を意識してみてください。

・乾燥しやすい時期には加湿器を使う

・クレンジングや洗顔、スキンケアには「敏感肌用」のアイテムを選ぶ

・日焼け止めは1年を通じて使用する

・十分な水分と栄養素を摂取する

・生活リズムを整える

・エイジングを意識したケアを行う

思春期前の子どもや30代後半からの女性、高齢者は、皮脂分泌量が少なく乾燥肌で悩まされやすいと言われています。ぜひこれらの対策を積極的に取り入れてみてください。

自宅での乾燥肌ケアのポイント

軽度の乾燥肌であれば、自宅でのていねいなケアで改善できます。ポイントになるのが「保湿」です。

潤いケアで内部に水分を与えるとともに、皮膚表面に人工的な保護膜を作り、蒸発や乾燥を防ぎましょう。

肌が十分に潤っていれば、本来のバリア機能も十分に働きます。外部からの刺激に負けない素肌を手に入れられるでしょう。特に入浴後や洗顔後など、水分が飛びやすいタイミングでの保湿ケアが重要です。

乾燥肌に効果的なクリームの選び方

乾燥肌が気になったら、保湿成分が配合されたクリームを使用しましょう。尿素やヘパリン類似物質が配合されたクリームは、保湿効果が高いことで知られています。

角質細胞間脂質であるセラミドが配合されているアイテムもおすすめです。アミノ酸系の天然保湿因子が配合されたクリームを選べば、細胞内部の水分をしっかりと補給できます。

スクワランなどの皮脂類似物質が配合されていれば、皮脂膜のように水分の蒸発を防いでくれるでしょう。

乾燥肌によるかゆみを軽減する方法

乾燥肌で悩まされやすいのが、「かゆみ」トラブルです。本能のままかきむしってしまうと、肌の状態はますます悪化してしまいます。辛い症状を緩和させるためのケアのポイントは、以下のとおりです。

かゆみを和らげるためのスキンケアルーティン

乾燥によるかゆみが気になったときには、まずは「かかない」ことが大切です。弱いかゆみであれば、冷やすのがおすすめ。

保冷剤を当てると、自然にかゆみも治まるでしょう。かゆみが強いときには、抗炎症作用があるヘパリン類似物質クリームを塗るのも効果的です。

入浴後のスキンケアは、できるだけ早いタイミングで行いましょう。

お肌が柔らかくなり浸透力や吸収力が高まっているタイミングなので、水分・油分をしっかりと補給できます。油性成分を含むクリームなども使い、乾燥しないよう注意しましょう。

かゆみを抑える効果的なクリームの使い方

かゆみを抑える成分が配合されたクリームは、ドラッグストアなどでも購入できます。かきむしってしまう前に塗ることが大切です。

肌をかいたときの刺激は、体内の細胞に働きかけ、さらにかゆみの原因物質を放出させる原因になります。かゆみが強くなれば、市販のクリームで抑えるのは難しくなってしまうでしょう。

かゆみを軽減する食事のアドバイス

乾燥によるかゆみを軽減するためには、日々の食事内容に気を配るのもおすすめです。タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維をバランスよく摂取するよう意識しつつ、ビタミンAの摂取量を増やすように意識してみてください。

肌のターンオーバーを促進し、バリア機能の正常化を目指しましょう。ほうれん草やニンジン、レバーや卵を積極的に摂取するのがおすすめです。

乾燥肌と関連する病気について

乾燥肌は、皮膚の病気とも深く関連しています。適切に治療するためにも、基礎知識を身につけておきましょう。

乾燥肌が引き起こす皮膚トラブルとは？

乾燥肌を放置すると、より深刻な皮膚トラブルの原因になる可能性があります。具体的には、以下のような病気が考えられるでしょう。

・アトピー性皮膚炎

・皮脂欠乏症

・乾燥性皮膚炎

「肌がカサカサする」程度であれば、スキンケアが面倒でつい放置してしまう人も多いのではないでしょうか。保湿ケアによってかゆみや湿疹といった症状を和らげられる可能性があるため、早期対処を心掛けましょう。

乾燥肌が関与する病気についての基礎知識

アトピー性皮膚炎は、かゆみや湿疹を伴う慢性的な病気です。アレルギーや遺伝が関連していると考えられていますが、乾燥肌も症状が悪化する原因の一つと言われています。

「子どもが悩まされるもの」といったイメージも根強いですが、大人になってから発症するケースも決して少なくありません。

皮脂欠乏症は乾皮症とも呼ばれていて、乾燥肌が悪化した状態です。カサカサになった皮膚がはがれ落ちたり、非常に強いかゆみを感じたりします。

年齢とともに皮膚細胞内の水分や皮脂が減少することで発症しますが、乾燥肌を放置した結果、より若い世代であっても悩まされる恐れがあります。

乾皮症がさらに悪化すると、化膿性皮膚炎に。赤い湿疹や水ぶくれ、強いかゆみが生じるでしょう。かきむしることで湿疹がさらに悪化し、悪循環にはまってしまうケースも少なくありません。

乾燥肌と病気の予防・対策方法

乾燥肌がきっかけとなり発症する病気を防ぐためには、こまめな潤いケアが必須です。スキンケアを面倒だと思わず、自分自身の状態を日々向き合っていきましょう。

また状態が悪化した際には、できるだけ早めに専門医に相談するのがおすすめです。処方薬も上手に使いつつ、健やかな肌を維持してください。

乾燥を防ぐための生活習慣の見直し

皮膚の乾燥を防ぐため、スキンケアと同時に実施したいのが、生活習慣の見直しです。具体的なポイントを4つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

湿度管理の重要性と実践方法

皮膚を乾燥させないために、重要なのが湿度管理です。肌を健やかな状態に保つための適正湿度は、60％程度と言われています。

低くなればなるほど肌への負担が重くなるので、加湿器を上手に使ってコントロールしましょう。部屋の湿度を体感で判断するのではなく、湿度計で正確な情報を把握することも重要なポイントです。

適切な洗顔と保湿のポイント

顔の乾燥で悩んでいる場合は、日々の洗顔に注意しましょう。敏感肌用の洗顔料を使い、皮膚への負担は最小限に。

ゴシゴシこすったり、熱すぎるお湯を使ったりするのは厳禁です。洗顔後はできるだけ早く保湿をしましょう。化粧水だけではなく、乳液やクリームを使って水分の蒸発を防いでください。

栄養バランスの良い食事の工夫

健康な肌を保つためには、栄養が必須です。タンパク質やビタミンは特に積極的に摂取してください。過度なダイエットも禁物です。特定の食べ物に偏るのではなく、できるだけさまざまな食材をバランスよく摂取するとよいでしょう。

ストレスが乾燥肌に与える影響とは？

ストレスにより自律神経のバランスが乱れると、肌の代謝サイクルを乱してしまいます。乾燥はもちろん、そのほかの肌トラブルの原因になる可能性も。

ストレスを溜めない生活を意識してみてください。アロマを取り入れた入浴や、心地よいと感じられるマッサージなどで、心と身体を癒やすのもおすすめです。

乾燥肌対策のための睡眠の重要性

乾燥肌を改善するためには、質の高い睡眠を確保することも大切です。睡眠と肌の関係性やおすすめの対処法は以下のとおりです。

良質な睡眠が肌に与える効果とは？

人間の身体は、睡眠中に成長ホルモンを分泌し、皮膚のターンオーバーを促進させます。睡眠不足に陥ると、肌の代謝が正常に行われなくなりバリア機能が低下。乾燥肌に悩まされやすくなってしまいます。

毎日6～8時間程度の良質な睡眠を確保できれば、肌を健やかに保ちやすくなるでしょう。

乾燥以外の肌荒れや老化を防ぐためにも重要なポイントです。

快眠を促す環境づくりのポイント

良質な睡眠をとるためには、環境づくりが重要です。まずは室内の温度や湿度を快適に整えましょう。

また、皮膚に刺激を与えない寝具を選ぶことも大切です。定期的なお手入れで、清潔な状態をキープしてください。

もう一つ忘れてはいけないのが、快眠するための自分自身の環境づくりです。睡眠時間直前の入浴やスマホは避けてください。

心をリラックスさせた状態で眠りにつけるよう、生活習慣そのものを整えるのもおすすめです。

本記事読者におすすめしたい商品

乾燥肌に悩んでいる方に、欠かせないのが保湿クリームです。おすすめ商品は以下のとおりです。

肌になじみやすくスッキリ心地いい保湿クリーム

乾燥肌は原因を知って適切に対処しよう

乾燥肌を放置すると、さらに皮膚の状態が悪化する恐れがあります。ケアのポイントは「保湿」にあるため、ぜひ自分の身体に合った保湿クリームも取り入れてみてください。

乾燥肌対策は、外側からのケアとともに、身体の内側からも整えていくとより効果的です。生活習慣全体を見直しつつ、健やかな肌を取り戻しましょう。