大量のおりものが出たけれどこれって病気!?原因や健康への影響は?

女性にとって身近なおりもの。本来であれば、女性の健康を守ってくれる重要な存在ですが、あまりにも大量になると「もしかして何か異常があるのでは…」と不安を抱えてしまいがちです。
大量のおりものが出る理由はさまざまで、特に心配がないケースもあれば、できるだけ早く医療機関を受診したほうが良いケースもあります。
大量のおりものが出る主な原因や、正常と異常の見極め方、異常を感じた場合のおすすめの流れなどについて、わかりやすく解説。自身の健康を守り、不安を解消するため、ぜひ役立ててみてください。
大量のおりものが出る主な原因

「なぜか普段よりも大量のおりものが出た…」という状況は、決して珍しいものではありません。
とはいえ、いったいなぜおりものが大量に分泌されたのか、その理由には個人差があります。主な原因を5つ紹介するので、自身に当てはまるものがないかどうか、まずは確認してみてください。
ホルモンバランスの変化
女性のホルモンバランスは、ライフステージに応じて大きく変化していきます。10代前半の初潮を迎えた頃はごくわずかであったおりものの量も、成長とともに少しずつ増加。
妊娠・出産の時期を迎える30代には、おりものの分泌量は非常に多くなるでしょう。
一方で、40代以降に閉経を迎えると、またおりもの量は減少していきます。こうした変化はごく自然なものであり、特に問題はありません。
また女性のホルモンバランスは、排卵・月経の周期の中でも常に変化し続けています。おりものの量が増えるのは排卵期前後で、粘りが強く、まるで卵白のような状態になることも。特に排卵直前の時期にはおりものの量が多くなりますが、こちらも特に問題はありません。
感染症による影響
おりものは、女性の身体の健康状態を示すバロメーターでもあります。病気が原因で量が増えるケースもあるため、注意しましょう。
量だけではなく、においや色にも変化を感じたときには、一度婦人科で相談するのがおすすめです。
また、おりものが気になるあまり、清潔にしすぎて細菌感染を引き起こすケースも少なくありません。
おりものはもともと、細菌が膣の中に入り込まないよう守る役割を担っています。清潔さを保つことは大切ですが、過度に洗浄しすぎないよう注意しましょう。
ストレスや生活習慣の影響
おりものの量は、女性が抱えるストレスや日々の生活習慣にも影響されます。過度な疲労やストレスは、女性ホルモンのバランスを乱す原因に。ホルモンバランスの乱れが原因で、おりものの分泌量に変化が生じる可能性があります。
また生活習慣やストレスが原因で卵巣機能が低下すれば、膣内の自浄作用がうまく働くなる恐れも。膣内で炎症が起き、おりもの増加につながってしまうケースもあります。
薬剤の副作用の可能性
たとえば、風邪を引いて抗生剤を処方されたときやステロイド薬を使用しているときには、薬の力で膣内を守る善玉菌が死滅してしまいます。
守る力が弱くなったことで、本来は繁殖しないはずの雑菌やカビが増加し、それがおりものを増やす原因になってしまうケースもあります。この場合、専門医のもとで、感染症の治療を正しく進めていくことが大切です。
妊娠初期の体の変化
妊娠初期の女性の身体にはさまざまな変化が現れるもの。その一つが、おりものの分泌量の増加です。
妊娠が成立していなければ、排卵時期に増えたおりもの量は、月経がくるタイミングでリセットされます。
妊娠が成立していれば、月経はこないまま、体内の赤ちゃんを守るためにおりもの量が増加するでしょう。
おりものの分泌量は、妊娠の可能性を見極めるためのポイントとしても活用できます。
正常なおりものと異常なおりものの違い

身体のリズムによって増減はしても、おりものそのものが正常であれば、特に問題はありません。
一方で、何らかの異常が発生している場合に放置するのは危険です。女性の身体を守るためにも、正しい方法でアプローチしましょう。「私のおりものは異常なの…?」と不安を抱える人に向けて、正常かどうかを見極めるポイントを4つ紹介します。
おりものの色
おりものが正常か異常かを見極めるためのポイントの一つが、色です。正常なおりものの色は、透明もしくは乳白色です。
ピンク色や茶色の場合、気付かないうちに出血し、おりものに混じっている可能性も。不正出血や女性器系の病気の可能性もあるため、長く続く場合には専門医に相談しましょう。
また、おりものが緑〜黄緑色の場合も注意が必要です。細菌感染が原因として考えられるため、早めの受診を心掛けてください。
おりものの量
通常のおりものシートでは間に合わないほどおりものの量が増えたときにも、異常の可能性を疑いましょう。
特に、思春期前にもかかわらずおりものの量が異常に多い場合や、生理周期に入っても量が多い場合、更年期や閉経を迎えても大量に分泌される場合などは、一度婦人科を受診すると安心です。
またサラサラとした水のようなおりものが大量に出る場合も、注意しましょう。クラミジア性感染症の疑いがあります。
おりもののにおい
おりものの異常は、そのにおいにも現れます。正常なおりものは、無臭もしくはやや酸っぱいにおいがするもの。
生理前に、酸っぱいようなにおいがやや強くなるのも、異常ではありません。一方で、いつもと違うにおいがするときや、食べ物が腐ったような生臭さを感じるときには注意が必要です。量の多さにかかわらず、医療機関で相談してください。
かゆみや痛みを伴う場合
おりものの量の変化以外に、さまざまな身体症状を自覚している場合も要注意です。外陰部のかゆみや痛みはもちろん、腹痛や発熱、性交時や排尿時の痛みや違和感も見逃さないでください。
感染症の中には、自覚症状が少なく進行を見逃してしまうものも少なくありません。少しでも異常を感じたら、まずは専門医に相談してみるのがおすすめです。
大量のおりものが健康に与える影響
おりものの分泌量が増加したとき、「何か健康面に悪影響を及ぼすのでは…」と不安を抱える人も多いのではないでしょうか。おりものの量と女性の心身の健康について、その関連性を解説します。
感染症との関連性
感染症が原因でおりものの分泌量が増加することはあっても、おりものの多さが何らかの感染症の原因になることはありません。おりものの分泌量には個人差があり、もともと少ない人もいれば多い人もいます。毎日分泌される人もいますが、それだけで異常とはなりません。
とはいえ、体内の変化を正確に把握するのは難しいもの。
「1日に何枚もおりものシートを変えなければならないような状態が、生理周期にかかわらず継続している」という場合は、膣の自浄作用に何らかの問題が生じている可能性があります。一度専門医に相談すると安心です。
長期的な健康リスク
おりものの量が多めでも、正常であれば特に問題はありません。長期的に見て、何らかの健康リスクをもたらす恐れもないでしょう。
一方で、感染症が原因でおりもの量に変化が生じている場合、問題を放置するのは危険です。性器クラミジア感染症を放置すれば、将来的に子宮外妊娠や不妊の原因になってしまう可能性も。
パートナーに病気を広げる恐れもあるでしょう。またごく稀ではありますが、子宮や卵巣、周辺臓器に生じた悪性腫瘍が、おりものを変化させる原因になっていることも。放置すれば命にかかわるケースもあるため、十分に注意してください。
日常生活への影響
おりものの分泌量が多いと、日常生活にも影響を及ぼしてしまいます。おりものシートを1日に何度も取り替えたり、受け止め切れず漏れてしまうのでは…と思ったりするのは、女性にとって大きな負担です。
おりものに関する悩みを抱える女性は非常に多く、婦人科で相談することは決して恥ずかしい行為ではありません。日常生活への影響が気になる場合も、まずは専門医に相談してみてください。
性行為への影響
おりものの役割は、膣内を守る自浄作用だけではありません。性交時の痛みや負担を和らげ、受精をサポートする役割も担っています。
性行為中におりもの量が増えるのはごく自然な反応であり、何らかの悪影響を及ぼすものではありません。
しかしながら、性感染症が原因でおりもの量が増えている場合、性交によって感染を広げてしまう可能性もあります。
おりものに変化が見られる場合はもちろん、それ以外でもパートナーと一緒に定期的に健康チェックを受けるのもおすすめです。
精神面への影響
女性にとっておりものは自身の身体を守るための重要なもの。一方で、たとえ女性同士であっても、その状態や量について赤裸々に相談するのは難しい…と感じている人も多いのではないでしょうか。
「自分の状態は異常なのでは…」と悩み、精神面に影響を及ぼすケースも少なくありません。
おりものに関する相談は婦人科で受け付けてもらえ、「大量に分泌される」という悩みについても例外ではありません。専門医に「異常なし」と診断してもらえれば、それだけで精神的な負担も軽減できます。ぜひ気軽に受診してみてください。
おりものに異常を感じた場合のステップ
「おりものの状態がいつもと違うかも…」と思っても、その後どう行動すれば良いのかわからず、戸惑う人も多いでしょう。おすすめの行動ステップを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
自己観察の方法
おりものに異常を感じたら、まずは自己観察からスタートしましょう。おりものの状態は、生理周期や体調によっても変化するもの。
意識して記録を付けることで、自分の身体のリズムも把握可能に。本当に異常があるのかどうか、判断するための手助けになるでしょう。
自己観察では、以下のようなポイントに注目してみてください。
・生理周期
・分泌量
・色
・におい
・そのほかの症状
いつから、どのような状態なのかを正しく伝えられれば、専門医を受診した際にも診断の手掛かりになります。
医師に相談する際のポイント
おりものについて医師に相談する場合は、自己観察の結果を簡潔にまとめて伝えるのがおすすめです。
特に分泌量については、個々で感じ方も異なるもの。「おりものシートが○時間しかもたない」など、客観的に伝わりやすい説明を心掛けましょう。生理周期によって量が変化するのかどうかも、非常に重要なポイントです。
腹痛や性交痛など、気になる症状についてあわせて伝えておきましょう。おりものの量とは直接関係がないように思えても、実はつながっている可能性もあるため、相談漏れがないよう注意してください。
検査の流れと内容
婦人科では、何らかの病気が隠れていないか探るため、さまざまな検査が行われます。性感染症が疑われる場合に行われるのが、おりもの検査です。
おりものを採取し顕微鏡で調べたり、培養して異常がないかどうかを確認したりします。
特に痛みはありません。子宮がん検診では、エコーによる視診のほか、細胞を採取しての細胞診が行われます。1週間ほどで検査結果が判明し、その結果を踏まえて治療方針が立てられます。
生活習慣の見直しと改善方法
検査に異常がなかった場合に、取り組みたいのがストレスケアや生活習慣の見直しについてです。ホルモンバランスや自律神経が乱れる原因を、元から取り除いていきましょう。
具体的には、以下のような方法がおすすめです。
・ストレスの原因を把握し取り除く
・ストレスサインを見逃さず、上手に発散する
・睡眠の質を高め、十分な時間を確保する
・バランスの良い食生活を心掛ける
・適度な運動を取り入れる
自分に足りていない部分から取り組むと、より効果的です。
症状に応じた治療の選択肢
自身の身体に病気が隠れていた場合も、そうではなかった場合も、気になる症状別にさまざまな治療方法を選択できます。
具体的にどういった方法があり、またどれを選択するとより効果的なのか、専門医と相談しながら決定するのがおすすめです。
本記事読者におすすめしたい商品

「おりものが大量に出る…」という状況で、生活に欠かせないのがおりものシートです。少しでも快適に過ごすため、おすすめのアイテムを2つ紹介します。
毎日使ってもかぶれにくいオーガニックコットン100%のおりものシート
ロングタイプでより安心のおりものシート
大量のおりものに悩んだらまずは一度相談を

おりものの分泌量が増え、不安を抱く女性は決して少なくありません。身体のリズムの問題で心配ないケースも多いものの、病気が関連しているケースがあるのも事実。
不安を解消するためにも、一度専門医に相談してみるのもおすすめです。日常生活での不安を解消するためには、使い心地のよいおりものシートをうまく取り入れてみてください。
少しでも快適に過ごせるよう、工夫しましょう。